いよいよGと僕、会計事務所と公庫の四者面談が始まりました。
会計事務所は公庫を紹介したのにGが勝手に嘘をついていたせいで顔に泥を塗られて今後の関係性が危ういというところです。
公庫は何度も確認をしたのに嘘をつかれた結果普通はしないことをさせられたのでとても怒っています。
公庫からすると、Gだけじゃなく僕も同罪です。
公庫の担当者の口調は優しいものでしたが、話す内容はさすがに厳しかったです。
公庫としては意思の確認をするが、特に何もなければ1,000万円で事業が完結するという話で融資しているのだから、1,000万円で事業をできないのであれば融資は取り消す形として、即刻債権回収に入るということでした。
公庫から提案されたことは、
①予定の規模から縮小して1,000万円で完結するようにしたらどうか
ということと
②1,000万円を二人で割れば500万円でそれを月々5万円ずつ返済するという勇気ある撤退
ということです。
①は既に2,500万円の規模のためのマシンの購入とテナントの借入に使っていたので不可能でした。
②は僕的にはあり得ないことで、何のために今までやってきたのかわからいので絶対に避けたいことでした。
②を避けるための条件は、ちゃんと残りの必要な資金を集めて事業を始めることができるようにすることでした。
最後に公庫の担当者の人が僕たち二人にそれぞれ今後どうしたいかを聞いてきました。
まずはGからでした。
「・・・・・・・・」
長い沈黙でした。Gにはいつも自分の意見というものがありません。だから意見を求められると困ります。
痺れを切らせた公庫の担当者が、今すぐは決められないということですか?と聞いてくれたのでそうですということで、僕の番になりました。
僕は即刻、
「絶対に何としてでも事業をスタートさせます。Gが撤退すると言っても一人でやります。」
と答えました。
もしGが辞めると言って、僕が一人でやるとなった場合は融資の借入人名義を変更しないといけないみたいで、それができるかどうか確認して連絡するということでその場の話し合いは終わりました。
ちなみに担当者の経験上こんな前例はなかったそうです。
そしてその後、いつも打ち合わせをしていたファミレスで話し合いをしました。
Gはどうしたいのかをそこでも聞いたのですがなかなか答えは出ません。
公庫の担当者の質問に即答できなかった時点で撤退しようと思ってるんじゃないのかと聞きましたが否定されました。
僕はそれなら最後の優しさだと思い、
今まで隠してきたことが全部ばれてGは気まずいかもしれないけど、これでやっと前に進めるからこれからは隠し事をせずにちゃんと一緒に頑張っていこうと言いました。
それでも自分の嘘を認めないし、悪いことをしたとも思ってないような感じで謝りもせず、無反応でした。
何度もどうするんだと聞いては無言の時間が流れるので、何度もいろんな話をしてはGの言葉を待つということを繰り返しました。
そしてそんな時間が3時間くらい経ったときにGはご飯を注文して食べ始めました。
僕は唖然としてしまいました。
読んでいる人はさすがにGのことは盛って面白おかしく書いてるだろと思うかもしれませんが、これ全部ノンフィクションです。
こっちが一生懸命話してるのにご飯を食べてるんですよ。
何回でも言いたくなるフレーズですけど、この辺にしておきます。
こちらが言葉を失って少し経ったところで、公庫の担当者から電話がありました。
電話の内容は名義変更できるということでした。
そのことを伝えると、待ってましたと言わんばかりに、自分は降りると言いました。
しかも言い方が、公庫の担当者と同じような言い方で、勇気ある撤退をした方がいいと思うと、ぬかしました。
さすがに「そんなのは勇気じゃない。ただの逃げだろ。」と捨て台詞を吐いてしましました。
結果4時間話して出た結論が辞めるということでした。
それなら最初に僕が聞いたときにYesで答えて終了で良かったじゃん!
と思いながらも、その場からはすぐに去りました。
これが6月の話です。
僕をジム作りに誘ってくれたGは途中でこの物語から消えることとなります。
今後も少しは出てきますが徐々に出場回数も少なくなります。
次回に続きます。